2021.09.13

第二回次世代教育推進委員会に関する報告

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の両角です。
 今回は、2021年6月28日に開催された第二回次世代教育推進委員会に関する報告となります。

1.第二回次世代教育推進委員会の開催形態

~Zoomを用いたオンライン会議による開催~
 初回の委員会は、各学校の先生同士の顔合わせの意味合いもあり、集合形式での会議となりましたが、第二回についてはZoomを用いたオンライン会議形式での開催となりました。
 小金井市様や東京学芸大学様と進めている今回の実証においては、「学校間のつながり」や「学校間の情報共有」が重要な要素になると考えています。なぜなら、ICTを活用した新たな学びを創出することや、自治体全体でICTの活用率を高めることは、限られた先生や限られた学校だけでは難しく、多くの学校や先生がそれぞれの知識や経験を結集することが必要だからです。
 ところが、多忙な先生同士で、学校間のつながりを作っていくことも簡単なことではありません。一方で、形式的なつながりではなく、意味のあるつながりを作っていくためには、1つはその頻度を増やしていくという事が必要になると思います。少しでも先生方の負担を軽減しながら、学校間のつながりを作っていくために、ICTが役立つと考えています。
 そこで、今後の次世代教育推進委員会は、オンライン会議形式を基本として開催していく予定です。オンライン会議とすることで、移動時間の削減や会議に参加する場所を問わないということで、先生方のご負担を軽減できると考えています。
 第二回次世代教育推進委員会は、初めてのオンライン会議での開催となりましたが、小金井市の先生方は、普段からZoomを用いた会議を実施されているということで、Zoomへの接続で問題が発生することもなく、円滑に会議を進行できました。
 授業におけるICT活用が注目されることが多いですが、学校運営に係るICT化は、先生方の働き方改革につながり、意味のある改革となります。オンライン会議による次世代教育推進委員会の開催形態が、学校運営のICT化を加速させるきっかけの1つにしたいと思っています。

2.第二回次世代教育推進委員会の内容

2.1.『まなホーダイ』の機能紹介とコンテンツ評価のお願い

 教材コンテンツの使い放題サービス『まなホーダイ』には、コンテンツを評価するという機能があります。この機能は、先生方のコンテンツに対する評価をコンテンツを提供する企業に届ける機能です。先生方にとっては、先生ご自身の評価を企業に伝える手段となり、コンテンツを提供する企業にとっては先生方の生の評価を得る手段となります。この機能を通じて、より良いコンテンツを学校現場にお届けしたいと考え、本機能の紹介と評価の依頼を行いました。

2.2.オンライン会議におけるグループディスカッション

 「オンライン会議では参加者一人ひとりの意見を出すことが難しい」と思っていませんか?実は、私もそのように考えていた1人です。オンライン会議が大規模になればなるほど、会議中に発言したり意見することに大きな勇気が必要となり、意見が出にくくなってしまうことが多いと思います。次世代教育推進委員会も、全14校の先生方にご参加いただくため、参加人数が10名を大きく超えることになり、意見が出にくい環境になってしまいます。そのため、オンライン会議形式で意見を出しやすい環境を作ることが課題となっていました。
 この解決策として、オンライン会議ツールには、ブレイクアウトルームやブレイクアウトセッションと呼ばれる機能が存在しています。この機能を活用すると、10人以上の参加者が入っている大規模なオンライン会議内に、小さな会議室を用意することが可能となります。全部で3つの小さな会議室を用意し、会議室の1つに4校~5校の先生方に入室してもらい、グループディスカッションを行いました。また、各グループには、進行役としてNTT Comのメンバーが参加しました。
 グループディスカッションでは、各学校の先生に「ICT活用を通じて目指す姿」や「ICT活用において工夫している取り組みや課題」、「目指す姿の実現に向けた取り組み」を話し合っていただいています。
 ICT活用を通じて目指す姿としては、「学年の発達段階に応じた課題に、どの子も困り感なくICT機器を使いこなす姿」や「どの教員も授業や校務でICTを活用する姿」、「友達同士の意見交換を通じて、自分の考えを深める姿」など、全ての学年の児童生徒や全ての先生方がICTを活用する姿を目指したいという想いを持っている先生方が多かったです。
 ICT活用において工夫している取り組みとしては、「先生自身がまずは使ってみるという意識を持っている」、「先生が校内研修を開催」、「先生自身が先生たち向けのマニュアルを作成した」など、現場の先生方はICT活用を通じて目指す姿の実現に向けて頑張って取り組んでいる内容などをお伺いできました。このような前向きな取り組みを他校の先生方にも共有する場にでき、良い学校間の情報交換ができたと考えています。

 一方で、ICT活用のおける課題としては、「ICTを活用する事例を知らない先生も多い」や「家庭におけるICT環境の整備」など、ICTを活用する上での課題提起もありました。先生方からお伺いした課題については、ICTを提供する事業者として、NTT Comも課題解決策を検討し、小金井市様に提案していきたいと考えています。
 目指す姿の実現に向けた取り組みとしては、「ICT活用事例を共有する仕組みの構築」というご意見が多い状況でした。ICTを使ってみようと思っても、どのように使えば良いか分からないという状態に陥ってしまった場合はICTの活用には至りません。以前、小金井市の先生方に実施したICT活用に関するWEBアンケートでも、「ICTの活用の仕方が分からない」というお声をいただくことが多かったため、弊社としても、事例を共有する仕組みの構築をご支援したいと考えています。

2.3.WEB上でのICT活用事例共有のお願い

 グループディスカッションでも、「ICT活用を推進するためには、ICT活用事例を蓄積・共有する仕組み」が求められるというご意見がありましたが、事前に実施した小金井市の先生方向けのWEBアンケートにおいても、同様のご意見を多くいただいていました。これを踏まえて、弊社はWEB上にICT活用事例を蓄積する仕組みをご提案しています。
 先生方が目指したい姿として挙げてくださった、「全ての学年の子ども達や全ての先生方がICTを活用する姿」の実現に向けて、次世代教育推進委員会の先生方を中心に、各校1事例~2事例を2021年7月~2022年3月までの9ヶ月間、WEBサイト上にアップロードいただくお願いをしています。小金井市様には、全部で14校の学校があるため、14校×9ヶ月で100を超える事例が集まることになります。

 先生方が実践した事例が100事例以上蓄積されることで、「ICTの活用の仕方がわからない」といった状況を解消できるのではないかと期待しています。小金井市教育長が2021年4月20日の調印式でもお話されていた、「小金井モデルの他自治体への横展開」につながる営みとして、今回蓄積できたICT活用事例を他の自治体様にも展開できると良いのではないかと考えています。

3.次世代教育推進委員会の今後の予定

 第三回の次世代教育推進委員会は、2021年7月29日に、オンライン会議にて開催される予定です。本委員会でも、グループディスカッションの時間を設けて、各校の先生方にICT活用事例の共有を行っていただく予定となっています。

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